サムライハードラー 引退

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2001年世界陸上エドモントン大会 為末大 銅メダル 400mH 47.89 日本記録

ロンドン五輪代表選考会を兼ねた陸上日本選手権が8日、大阪・長居陸上競技場で開幕し、為末大(CHASKI)は、男子400メートルハードルで予選落ちした。今季限りでの引退を明言しており、これが最後のレースとなった。
為末は予選2組に登場したが、最初のハードルを引っ掛けて転倒。立ち上がって完走はしたものの、57秒64で予選落ちとなった。4度目の五輪出場の夢はかなわず、選手生活にピリオドを打った。
レース後のインタビューでは途中で感情を抑え切れずに涙声になる場面もあったが、これまでの競技人生を振り返るとともに、若手へエールを送った。

スポーツナビより

スポーツナビ

またひとり、日本陸上界に歴史を残したアスリートの幕が降りる。

日本短距離界の世界陸上で、個人銅メダルを2つもっているのは為末選手だけ。
小柄なカラダで歩数にハンデのあるハードルをやってのけるのだから、本当に驚異的な記録を作りました。
2001’エドモントン、2005’ヘルシンキでの世界陸上での銅メダル獲得の瞬間は、わたしもテレビにかじりついて見ていました。

2001’はとにかく初の快挙で、映像では爽やかな表情でしたが、2005’は違った。
それはもう、魂がぬけたように地面に手を付けながら、スランプから這い上がってきた苦労や悔しさがいっきにあふれ出した瞬間だった。
わたしもその為末選手の姿を見て、一緒に涙があふれたのをよく憶えています。

わたしはそれまで、オリンピックや世界大会に出場した選手は、メダルを獲得したらそれで引退するのが一番カッコイイ引き際だと思っていた。
例えばフィギュアスケート荒川静香選手がそうですね。金メダルを獲得してすぐ引退されました。

しかし決して忘れられない引き際の瞬間は、過去に栄光を手にしたにもかかわらず、身体の限界に挑戦し、最期にはメダルからほど遠い結果で去っていくアスリートの姿なんです。
ラソン高橋尚子選手がそのひとり。もう十分頑張ったじゃない、それでもまだ走るの?って思わずにはいられなかった。
カラダも痩せて、年齢も重ねて。それでもどこまでも走り続けていた。
金メダルは二度獲ることがいかに不可能なことなのか、いいえ、一度でも不可能なのかもしれない確率です。

だから為末選手が銅メダルを二回獲得したのは、本当に日本陸上界の歴史の中でも誇りとなるものです。それでも再びロンドンオリンピックに夢を継ないだ。ここまで苦しみながら挑戦したのは何故なんだろうか。
きっと為末選手にしか知り得ない、果てしない挑戦だったに違いありません。

小学生からずっと走り続けてきた為末さんへ。
メダリストとして次に挑戦する難しさ。感動しました。ありがとうございました。

ー逃げてこなかった過去の自分が、支えとなった
為末大