XファイルNo.11 〜 放射線を少しあびると
■少しあびる(低線量被ばく)とどうなるでしょ ---晩発障害ばんぱつしょうがい---
少しの放射線とはどの位の量をさすのでしょうか?これは専門家の間でも長い間意見は一致しませんでしたし、今でもそれほどキッチリと決められているわけではありません。2006年にアメリカの科学アカデミーから出された報告書では「100ミリシーベルト以下を低線量という」と提案され多くはこれにしたがっています。
この図でだいたい急性障害が見られなくなる線量にあたります。この線量以下だと急性障害の影響が見られなくなるのでこの境界の線量を急性障害のしきい値といいます。
低線量被ばくをするのは、原子力発電所やウラン鉱山や、病院の検査室で働く人のように、仕事で放射線をあびる場合で、これを職業被ばくといいます。職業被ばくには限度があって1年間に50ミリシーベルトを超えず、5年間で100ミリシーベルトを超えないと決められています。
また、病院などでエックス線検査を受ける場合もありこれを医療被ばくといいます。これには限度が決められていません。日本は世界でも一番医療被ばくが多く、そのためにがんになる人が年間1万人近くになると計算されています。
原子力発電所から出てくる放射性物質で環境が汚れて、近くに住んでいる子供に白血病が多いという報告もあります。そのため一般の人が原子力発電所などからから出てくる放射線をあびすぎないように、その限度も決められています。それは1年間に1ミリシーベルトです。
生き物は放射線を感じないのになぜ、どのように放射線は害をあたえるのでしょうか? それは、生き物が命をつなぐ大事なしくみを、放射線がこわしてしまうからです。
こちらは"よくわかる原子力"より引用いたしました http://www.nuketext.org/indexkids.html