お母ちゃんの失業

先日、お母ちゃんから電話があった。

母:こんばんは、○○ちゃん元気?
私:うん、元気。 お母ちゃんは元気?
母:お母ちゃん失業することになった…。
私:え"⁈
母:院長先生に呼ばれて、患者さんが亡くなったから病院が赤字で雇えないって。一ヶ月分の給料つけるから4月で退職してくれないかって言われた。

私:そうかぁ…  残念だね、でもわたしはお母ちゃんにはちょっとキツイ仕事かなって心配やったからそれもいいのかなとも思うよ。でも収入がなくなると大変だよね、、。

うちのお母ちゃんは小さな病院で調理の仕事をしています。もう62歳、脚は悪く、まっすぐ歩けません。
でもお父ちゃんが胃がんを患ってからは、父の就業が激減してしまい、働かないと生活費がたりません。父はまだ59歳です。

お母ちゃんはフルタイムで毎日8時間、月に6日しか休みがないですが、できる仕事や年齢を考えたり、通勤距離を考えるとありがたいと思い、汗びっしょりになりながら毎日働きます。
お母ちゃんはわたしに会うときや電話では仕事のグチはもらしません。逆にいつもツライことがあっても子供に対しては明るく元気に振る舞い、平常心です。これは幼い頃からそうでした。
で、今回失業することに加えて、これまで現場のスタッフからキツイ言葉や罵声をあびることもあり、精神的にかなりプレッシャーを感じて働いていたとも言っていました…。

なかなか人間関係が完ぺきな職場もなければ、年齢がくると条件だって分が悪くなります。
でも現実、年金が減らされて働かないワケにはいかないなんてヒトは多いと思います。

何がいいたいかというと、わたしにはお母ちゃんに5万円でも毎月生活費としてあげられる余裕がないことが悔しいんです。
それがとてもふがいないと思うのです。
だから、
電話が終わると泣けてくるのでした。
20代の私の収入で、今のやりくりができていれば、お母ちゃんに5万円は渡せたはずですが、今は私も収入が減ってしまい、老いた母親を助けることができないなんて情けないですね。
お父ちゃんが胃がんにならなければまたちがったかもしれませんが、しかし結果論ではなんとも言い訳にしかなりません。

厳しい現実なのに、お母ちゃんは笑って言いました、またハローワークに行って仕事探しに行ってくるねって。

お母ちゃんの働く意欲やその後ろ姿に、ただわたしは頭がさがる思いでいっぱいになります。
わたしが、「もう働かなくていいよ」
って言えない自分が悔しい、最近そう痛感せざるを得ないのでした。