娼婦ベロニカ


98'アメリカ映画

何年前だろう、かなり前にレンタルで借りてからすごい好きな映画、わたしの中では3本の指に入る。
前にレンタルショップでDVDはないって言われたのに、先週置いてあった!気を利かせて入荷してくれたんかなー(笑)ひさびさに観たかったから嬉しい。

日本では"娼婦ベロニカ"のタイトルですが、原題"A distiny of her own"あるいは"dangerous beauty"  日本タイトルのがインパクがある。タイトルのイメージとは逆に、実際の内容は実在したコーティザン(高級娼婦)であり、詩人であったベロニカフランコの壮絶なるノンフィクションドラマである。そしてなによりも愛を謳っている物語なのです。
*配給会社により原題は2つあるみたい

1583年、ヴェネツィア。女性は男性の所有物とされた時代。
結婚は契約、愛などは関係ない。貴族の妻は子供を生み、家庭を守り、肌を露出しない地味な服をまとう、外出も許可なく出られない、幽閉された一生を送らなければならない時代。
しかし、このヴェネツィアで唯一愛と自由を手に入れられたのが、コーティザンだった。
ベロニカは貧しく庶民の家元だっ為に、愛する人(貴族)と結婚ができなかった。唯一彼を手に入れられる方法があると、母親にコーティザンになるように育てられる。

本が大好きだったベロニカ。当時男性と、コーティザンのみが出入りを許可された図書館にも通い、高級娼婦として生きる為に教養を身につける。
コーティザンは貴族の中でも貴族、官僚クラスの男性くらいでないと付き合えないクラスです。そう、世界一教養を持つ女性でした。
殿方の話相手になる訳ですから、綺麗で身のこなしがいいだけでは務まりません。
ベロニカは美と教養と恵まれた詩の才能を持ってして、コーティザンとしていっきにのぼりつめる。

しかし戦争が始まり、ヴェネツィアは隣国フランスの協力なしではトルコに敗れてしまう危機となる。
ヴェネツィアはフランス国王を迎えるが、フランス国王にベロニカは気に入られてしまう。恋人はこれに耐えられず、ベロニカの元を去ってしまう。

時代はヴェネツィアを疫病、ペストが襲う、世間は原因不明の疫病を娼婦の罪とし、娼婦たちが追い詰められていく。死刑や宗教裁判にかけられ、ベロニカにも出廷が命じられる。

ベロニカの生きる道はこれしかなかった。
ベロニカは死刑を恐れず、自分が生きた道に誇りをもって裁判に臨む。
肉体は神が唯一与えたもの、そして愛し合い、ひとつになる そう訴えるのであった。


主演のイギリス人俳優:キャサリンマコーマックがほんとに美しく、彼女の作品の中でも一番輝いている作品だと思った。他、ブレイブハートやスパイゲームにも出演されています。

相手役の恋人は、ルーファスシーウェル。わたしこの一週間で何十回と観ましたが、彼が渡辺謙さんにみえてしょうがなかった(笑)
他、ロックユーに出演されています。

どんな時代にしろ、自分の仕事にしろ、生きた道にしろ、後悔しないように、まっとうして生きる女性の実話であること。すごくかっこよく強く生きたベロニカフランコに、女性はみな憧れずにはいられないでしょう。

ラストの結末は、みなさんの目で確かめていただきたい。これは事実に基づいた物語だから。

ーー神の最大の贈り物はこの肉体である
ベロニカフランコ